【サモア】伝統植物マタラフィ、イブプロフェンと同等の効果
サモアの伝統植物「マタラフィ」が、炎症治療においてイブプロフェンと同等の効果があることが新たな研究で明らかになりました。
この研究は、ニュージーランドのウェリントンにあるビクトリア大学のバイオディスカバリーセンターで、先住民族の科学者、ドクター・モリマウ-サマソニが主導しています。
マタラフィは、白い花と光沢のある赤い実をつける小さな木で、熱や体の痛み、傷、呼吸器感染症など様々な炎症を治療するために使用されてきました。
研究によると、マタラフィが炎症を減少させるメカニズムは、体内の鉄との相互作用によるもので、「鉄キレート」と呼ばれています。
研究チームは、マタラフィの抗炎症効果がイブプロフェンと同様に強力であることを発見しました。
また、この植物に含まれるルチンとニコチフロリンという2つの主要な化合物が細胞内の鉄に結びつき、抗炎症作用を助けることも特定されました。
「これは、マタラフィがサモアの伝統医学で広く用いられている理由と一致します」と研究者は述べています。
ドクター・モリマウ-サマソニは、伝統医薬の科学的検証の重要性を強調し、「何百年もの間、私たちの人々が使用してきた伝統医薬が、科学的な根拠によってその効果が支持されていることがわかります」と語っています。
現在、研究チームは、がんや神経変性疾患、心血管病、糖尿病の治療におけるマタラフィの潜在的な利点を探求していますが、広範な使用にはさらなる科学的調査が必要です。